SUMMER SPECIAL
2003/8/24 東京:studio DREAM MAKER
※ 「カッコ」の前に名前がないものは、木根さんです。
10年間、眠っていました。
「今回は緊張しています。昨日も話したんだけど、
ソロになっていちばん最初にやったライヴで使ったピアノを持ってきました。
あの時は、足も手も震えるぐらい緊張した」
「このホールにはピアノがなかったから。まさかグランドピアノは持ってこれないし。
もっとちいさい、こういうヤツ(動き的にはアップライトを指していたと思います)もあるけど、あれはライブには向かないし。
そうすると、いつもみたいにキーボードになっちゃうのも・・・と考えていたら、最初のライブを思い出したんだよ。
"あのピアノ、どこ置いただろう?"って。
調布の方に・・・場所はどこでもいいね。調布の方に倉庫を借りているんだけど、
そこに起きっぱなしにして忘れていたのね。・・・次に思い出すのはいつだろう?」
「次に思い出すのは10年後。・・・55歳か」
口は災いの元
「今回のテーマは『挑戦』、ということで。
いろいろ大変な方に、大変な方に向かう自分がいるんだけど。
このライブも、"ピアノにするから曲をぜんぶ変える"って言っちゃって。
前回の吉祥寺が終わってから1ヶ月くらい間が開いているから大丈夫だろうって、いい気でいたら、大変だった。
後悔したね。曲目変えるだなんて、言わなければ良かった」
自画自賛(あるいは自業自得)
「たとえ2日だけといっても、前日よりは良くしたいと思って、昨日やったライブのMDを帰ってから聴いたのね。
(夜)11時頃から聴きはじめたんだけど。
MDに入っているから、曲ごとに飛ばせると思っていたのね。
最初も喋っているから、飛ばそうとしたら、頭に戻っちゃって。
まあすぐ曲にいくからと思って、そのまま聴いていたんだけど、
その曲が終わって次の曲へ飛ばそうとしたら、また最初に戻っちゃったんだよ。
だから仕方なくそのまま聴いていたんだけど。そうしたらそいつ、すごいよく喋るんだよ。
次の日もライブあるから、早く寝たいのに。
しかもくっだらない話をずーっとしてるの。すっごくムカついた」
「でもね。時々、笑っちゃうんだよ。"あ、こいつ面白い"って。
それもムカつくんだけど。昨日の反省はひとつ。
くっだらない話をだらだらしていないで、てきぱきとやることだね。
結局、寝たのは3時です」
手術をしました。
「(視力回復の手術を受けたので)いまは視力が1.5あります。
だから、このサングラスにも度が入っていません。
いい医者を紹介してもらったから、手術をしたのね。
手術する前に、その先生といろいろ話をしたんだけど、その時に"目がちいさいねえ"って言われた。
よく目がちいさいって言われる。
ウツにも狼男の目だってよく言われるけど、医者だから、からかっているわけじゃなくて切実なんだよね。手術するから。
"大丈夫ですか?"って訊いたら、"なんとかするから、大丈夫"って言っていた」
木根「それでは、その先生を呼びましょうか。山本英美!!」
英美さんは、笑いながら登場(笑)
英美「先生って。さっきからずっとそこで待っていたのに。
いくら今日、白い服を着ているからって、それはないでしょう!?」
懐かしいです
木根「英美とは1996年?」
(本当はそれ以前にも『What's Jam?』や『liquid sun』ツアーにも参加されています(苦笑))
木根「その後すぐ1997年になっちゃったから、ほぼ1997年。
アルバム作りに参加してもらって、そこから一緒にやるようになったのかな。
その前から、実はつき合いがあったから、それが最初っていうわけじゃないけど。
ロスの・・・いまはもう人の手に渡っちゃった別荘にも一緒に行ったね」
英美「行きましたね。あそこにプールがあったんですが。
プールを見ると、とにかく泳ごうって思っちゃう方だから、
(小室さんに)会う前に、とりあえず泳いでいたら、しばらくしてふらふら〜ってやってきて。
"あれ、泳いでいるの? そこ、犬専用"って」
木根「人間で泳いだの、英美が最初だったんだよ」
英美「ああいう感じですから。"犬しか泳いでないよ〜"って。涼しい声で」
木根「水はそんなに汚くなかったよね?」
英美「思いっきりその中で目、開けてましたよ」
木根「そこって、周り水色に塗ってなかった?
プールって、周りを水色に塗ってあると、すこしぐらい水が汚くても、綺麗に見えるんだよね」
英美「太陽も当たっていましたから」
木根「でも確か、顕微鏡で見ると、めちゃくちゃ大きな微生物、いたんじゃなかったけ?」
英美「あっ、いましたね」
英美劇場
木根「松本伊代の『センチメンタル・ジャーニー』」
英美「あれは語尾が全部下がるから難しいんですよ」
言っている意味が判らず、首を傾げる木根さんの前で、
ワンフレーズごとに音を下げながら歌ってみせる英美さん(笑)
木根「そうやって言われると、そうだね」
英美「最後までそうなんですよ。"♪センチメンタル・ジャーニー(最後の音が下がっています)♪"」
木根「すごい! 面白い!!」
木根さんはギターをギター・ホルダーに置き、椅子を英美さんのいる方に向けて完全に聞く体勢(笑)
木根「ほかにアイドル・・・あ、中森明菜。中森明菜の『少女A』」
Aメロから歌い始めて、Bメロ前(たぶん(苦笑))で止まる。
英美「ここでようやくコードが変わるんですよ。
この曲に、"じれったい、じれったい"という歌詞があるんだけど。
"おまえの方がじれったいわっ!!"」
英美劇場その2
英美「松田聖子や中森明菜の頃はよかったんだけど、いまの歌は、ぜんぜん憶えられません。
カラオケ世代だから、どんどん新しい曲が出てきて。
一生懸命憶えても、すぐ古い曲になっちゃうんで」
英美「このあいだテレビで・・・ケーブルテレビが入っているので音楽番組が見れるんですが。
そこでクリップを見ていたら、すごい曲が流れてきました。
バンド名も憶えているんだけど。ビリケンっていう。
曲は『なごり雪』なんですが。思わず最後まで見てしまいました」
木根「あ、それ。俺も知ってる」
英美「♪いま春が来て〜君は(歌っています)♪」
途中で、ラップへ(笑)
歌詞はめちゃくちゃだったと思うんですが、雰囲気だけはそっくり(笑)
英美「これ、初めて見たとき、思わず歌っている人たちの目を見てしまいましたね。
本気で歌いたいのかどうか。
あれはちょっと無理があると思いませんか?
くっつけりゃいいってもんじゃないでしょ」
木根「あれはきっと彼らじゃなくて、プロデューサーの提案だと思うよ。
若い世代も聞いて、その上の世代も聴いてもらうっていったら、ああいう手になるんじゃないの?」
英美「でも、すごく強引じゃないですか?」
木根「そういえば、『いちご白書をもう一度』もあったよね」
英美「それは新しい方ですね。先に『なごり雪』が出て、第二弾(が『いちご白書をもう一度』)」
『いちご白書〜』も英美さんが歌ってくれた気がします。
しかもラップ部分になった時、木根さんのボイパが入りました。
英美「彼らのクリップを見る機会があったら、是非彼らの目を見てください。
やりたくてやっているのか、やらされているのか」
木根「なんかこうやっていると、一緒に回っていた頃を思い出すね。
じゃあ歌謡曲コーナーをしめるために、一曲歌ってもらおうか。
一緒に回っていた頃、毎回一曲ずつ歌謡曲を歌ってもらっていたんだけど。
その中から、僕がいちばん聴きたい曲。榊原郁恵の『夏のお嬢さん』はどう?」
英美「え!? ・・・歌詞カードありません!!」
コード表もなかった模様です(苦笑)
『夏のお嬢さん』
・・・英美さんオン・ステージ。
途中、歌詞が飛んでしまったところは、しゃべってうまくカバー(笑)
さすが英美さん!! 職人です。
唯一無二?
英美「みんな、顔つやもよく。こんなに客席が笑っているライブって、ほかにはないですよ。
でもそんな顔をここから見ると、実はすごく嬉しかったりして」
木根「ホント。すごくいい顔してる。できることなら、ここから見せてあげたいくらいだもん」
英美「みんな、大笑いしてる顔(これは実演つきでした)。
さっきからずっと見ていると、だんだんハンカチを手にする人の数が増えてきて。
ハンカチで目尻をぬぐっているのが見える(笑)
これ、夏の思い出作りに来てるでしょ?」
of coruse.
すこしだけ真面目に。
木根「このままじゃ曲に行けないから、真面目な話をしよう。
これまで(ふたりで)一緒にライブをやってきて、その中で英美にも演ってもらったことがあるけど、
歌謡曲とかだったりして、あまり真面目にやったことがなかったから、
今回は真面目に演奏(コピーかも)しようということになって、一生懸命練習しました」
英美「なんか、中学生(高校かも)の学園祭のノリでしたね」
木根「ギターの二人組と言えば・・・狩人」
英美「ホントに狩人やるんですか?」
木根「いや、本当はサイモン&ギャーファンクル」
場内、大爆笑。
英美「ギャーファンクルって(笑)」
木根「サイモン&ガーファンクル。彼らの曲は有名だから、たぶんみんな知っていると思います。
『卒業』という有名な映画があるんだけど、そこに使われた曲をメドレーで」
英美「サイモン & ガーファンクルは、聴くことはあっても、
演奏しようとは思わなくて、聴く専門だったから、カバーするのは今回が初めて。
演奏してみて、やっぱり彼らの音楽はすごいなと思いました」
木根「英語の歌は苦手だから、コピーしない」
英美「英語の歌を、こんなに真面目にコピーするのは久しぶりですね」
木根「英語はコピーしないもん。苦手だから。高校生の頃からめちゃくちゃ英語だったから。
今回、英語の歌を歌うってことでNOVAに行ってきました」
今度は会場内が、不穏な沈黙に包まれる(笑)
英美「顔は笑っているのに、みんな目は軽蔑してる。こういうライブも本当に珍しいですね」
木根「『卒業』という映画の音楽をやっていたんだけど、あの頃の映画って、音楽と映像がすごくリンクしていたよね。
この音楽を聴くと、映像がふっと浮かぶという」
英美「映画自体は今のものに比べると、内容はなかったと思うんですよ。
大したことのない内容だと思うんだけど、すごく映像と音楽が一体になってましたね」
英美さんと回っていた日々(笑)
「実は英美も三多摩地区出身なんだよ。
TMもタマ・ネットワークっていうくらいだから、知っている人も多いと思うけど。
英美は確か調布とか、そのあたりだったはず」
「最初の頃は僕らが立川でバンドを組んでいて、英美も確かバンドをやっていたから、バンド仲間みたいなものだった。
僕らが先に、TMとしてデビューをさせてもらったんだけど、英美もそのあとソロでデビューして。
お互いそれぞれ忙しかったから、その間は会ったりしてなかったけどね。
ソロになってから、"英美と一緒にやってみませんか"という話が来て、それで一緒にやるようになった」
ひとりで回っていた番外篇を思い出してか、
「ひとりでがんばっていたんだけどさ、お母さんに会っちゃったんだよ。
ひとりでやるって家を飛び出したんだけど、お母さんに会っちゃって。思い出しちゃったんだよ」