番外篇 Vol.3
2003/10/17 名古屋:TOKUZO
この日、木根さんは客席に背中を向けてピアノを弾いていました。
「『木根尚登Talk & Live 番外篇 Vol.3』。これで名古屋も3回目です。
今回、46本回っているんだけど、たくさん回るというのも良くないね。
"もう、1回見たから、今回はやめとこう"って。
・・・3回目にもかかわらず、たくさんの人が来てくれて。ありがとうございます」
「今回が初めての人もいるだろうから、説明すると。
今年は自分の年齢の数だけ、ひとりで回ろうと決めて回っていて、ひとりは今日が最終日になります」
「今回はこのピアノで、場所の関係で後ろ向きになっているんだけど。
会場によってグランドピアノだったり、これ(アップライト)と同じものだったり。
ここはこれ(アップライトのピアノ)があるからいいけど、ない場合は電子ピアノになっちゃうのね。
電子ピアノのいいところは、こっち(客席)を向いて歌えること。
電子ピアノなら、それができるんだけど、やっぱり僕は生のピアノの方がいいし、
そっちの方が好きだから、そっちを取らせてもらいました」
判った人、すごい。
『For Years』でイントロの演奏を終えて歌い出そうとした木根さんでしたが。
一音だけ声に出して笑って演奏を止めてしまう(苦笑)
「本当はそのまま続けようと思ったんだけど。・・・なにを間違えたと思う?」
しばらく待ったあと。
「出だしの言葉を間違えたの。
(譜面の入っているクリアケースに)2曲並べて入っているんだけど、
2曲目の方を見ちゃったんだな。この歌い出しは"は"、次の曲が"ふ"」
(ちなみに次の曲は『つれづれ』でした)
ふたつのことを同時にできる人とは思えません(苦笑)
「弦が切れるのにも慣れました。
・・・カポをしていると、カポにからんじゃって、音が出なくなっちゃう。
そうすると止めないといけないんだけど。・・・どこだっけ?」
観客から飛んだ「広島」という声を受けて。
「そう、広島。広島で弦が切れたんだけど。そのときは弦がカポに絡んじゃって。
でもその曲は、ギターを弾かないとダメなのね。
だから、そこ(切れた弦)を使うときは、アカペラにしようと思って。
アカペラで歌いながら、弦をはずそうとしたんだけど、外れなくて。
ほら、そんなことやりながらだから、アカペラで歌っていても、(歌が)おろそかになるじゃない。
だからその時は止めたんだけどね。
弦が切れても歌うっていう練習したんだよ」
歌いながら弦を変えるフリをする木根さん(笑)
「でも、まず弦を切らないといけないんだよね。切ろうと思うと、なかなか弦って切れない。
切らないようにしようと思うと切れるんだよな」
苗場の夜
「苗場はリハと本番の日に泊まったから、前ノリね。僕はそのリハの夜に本を書き上げました」
「僕は本を書いていたんだけど、てっちゃんは最近、サッカーゲームにハマっているから、すっごくうまい。
ずっと、そればっかりやってるから。
一日目の夜、てっちゃんとワタルちゃんは、サッカーゲームを朝8時まで。
ウツはベースを弾いてくれた人と、朝5時まで飲んでいたんだって。
葛Gは両方の部屋を行き来していたみたい。ほら、気〜遣いだから」
「次の日は本も書き上げたから、てっちゃんの部屋に行ってサッカーゲームをやって」
コントローラーを握る仕草をして再現する木根さん。かなり力を入れていた風に見えました(笑)
「そしたら次の日、このへん(手首から肘までの間)が痛くて」
「あ、でも。てっちゃんと同じチームになったとき。点が入ったら、こうやってやったよ」
頭上、両手でハイ・タッチをした模様です(笑)
「ウツの部屋でもベースの人と飲んでるっていうから、顔を出しておこうと思って行ったら。こうやってるの(笑)」
宇都宮さんの部屋では、ユビスマをしていた模様(笑)
「いい大人が(笑) 深夜2時にこれ(ユビスマ)だよ。
"どうしよっかな"と思っていたら、ベースの人に"木根は2番な"って言われて。
そのとき俺、素面だったし、いきなり2番って言われても」
「原始的なゲームの方にkeikoとかもいた。
でもあいつら、ホントすごいよな。ゲームを朝8時まで。ユビスマで5時までだろ。
俺、どんなにがんばっても2時になると眠くなる。
別にもういい大人なんだから、つき合わなくたっていいんだろうけど、
こんなことはもうないだろうなぁって思って、両方の部屋を行き来していました」
手術、詳細版
「これはあっちこっちでしているから、しつこく来てくれている人には、
"もう聞いたよ"っていう話かもしれないけど、名古屋では初めてだから」
「8月に、目の手術をしました。
丁寧に話すと、3、4年くらい前に、つんくと一緒に飲む機会があって。
その時に、"そのサングラス、度が入ってますか?"って聞かれたのね。
だから、"入ってる"って。そう答えたら"それは?"って訊くじゃない?」
「向こうは、それを待っていたワケだから、
"このあいだ、視力回復の手術をしたんですよ。だから入ってません"って言って。
(僕は)小心者が服を着て歩いているようなヤツだからさ。
つんくの時は成功したかもしれないけど、僕の時はどうか判らないって。
その時、成功率が、まだ100%じゃないって知っていたのね。
100%だったら、保険とか効くようになっているだろうし。
だから失敗したらって悪い方にばっかり考えちゃうのね」
「それから2年後くらいあとかな。
ふたり組のバンド(チャゲ&飛鳥だったような気がします)の背のちいさい方から、
また"そのサングラス、度が入っているの?"って訊かれて。
その方から先生を紹介してもらったんだけど。
年齢的なものもあって、どうしても近いものが見づらいから。
遠くと近く、両方はできないらしいのね。
ずっと近視だったから、これまで、これぐらい(目から20センチくらいのところに手を広げて)
近づけないと見えなかったから、遠くが見えるならそれだけでね。
一応、中くらいでやってもらうことになったんだけど」
「先生とこう、向かい合って話をするでしょ。その方がお茶目な方で。
"木根さん、本当に目がちいさいですね"って言われて。
"大丈夫ですか?"って訊いたら、"大丈夫、大丈夫"って」
「さすがに手術の日は憶えているよ。8月の11日。
手術自体は片目、15分くらいで終わるんだけどね。
手術のあと、すぐ視力を測ったらやけに下の方まで見えちゃって。ちょっと失敗したみたい。
1.0くらいの予定だったのが、1.5ぐらいまで見えちゃって。
だからちょっと近いところが見づらい。
"時間が経つと、だんだん落ち着いて来ますから"って言っていたんだけどね」
「この間、名古屋に来たときにタバコをやめたって話をしたでしょ。
そのあと目の手術をして。そしたらワタルに、"木根がだんだん、木根じゃなくなってく"って言われた」
運が悪いんじゃなくていいんだと思います(好きな人にとっては(苦笑))
「F1レーサーの運転する車に乗る、というイベントがあったのね。
栃木の方にあるリンク(察するにツインリンクもてぎ?)で。
僕たちみたいな人が20人くらいと、記者の人が10人くらいで、合わせても30人くらいしかいなかった。
本当はその案内、小室のところに来ていたのね。
僕はF1とかそういうのに、あまり興味がなかったんだけど、あの人はすごい好きだったから。
でもいまは、ホントにサッカーにはまっているから"行かない"って言ったみたいで。
僕らで言う『ファンの集い』、みたいなヤツだったのかな?
F1レーサーのふたりが運転する車に乗れる、という。
僕はF1とか詳しくないから判らないんだけど、いろんな車が置いてあって。
その車を運転してくれたんだけど」
「運転してくれたのが、フィレンツェンという人と、もうひとりがニック・・・(ハイドフェルド)
絶対に忘れないようにって思って、携帯に打ち込んでおいたのに。・・・携帯持ってくれば判るよ」
「先にトークイベントみたいのがあって、それから"じゃあアルファベット順に乗るようにしましょうか"って。
"木根さんは3番です"って言われて。
・・・そこにいるのはみんな好きでいる人たちばっかりでしょ?
怖がっていたのは、俺だけ」
「僕は先に若い人が運転する車に乗った。
僕はフルフェイス(いちばん頑丈なものと言っていたので)のヘルメットをしていたんだけど、彼らはそのまま。
1周なんて、あっという間だね。
"おいおい、まだブレーキ踏まないのかよ"って思うくらいまでブレーキ踏まなかったりして」
「そのあともうひとり、年上の人の運転する車にも乗ったんだけど。
そっちの人の方が、年上だけあって運転も穏やかだと思っていたんだけど。
僕の順番が回ってくるまでに、何人か乗せてもう走ってるわけ。
だからもう飽きちゃってたんだよ。だからすごい勢いでぎゅん、って」
コーナーを回っていったそうです。
そうしたら。
「コーナー入り損ねたらしくて、スピンしちゃったんだよ。
くるくるくるって。何回転したんだろ。
スピンしたもんだから、被っていたキャップが飛んじゃったのね。
こっちはびっくりしてるのに、そいつ、どうしたと思う?
いきなりバックして・・・車体が低いから、そのまま手で拾えたんだよ」
そうして帽子を被り、木根さんに笑顔を見せたそうです。
「なんでか知らないけど、そういうくじ運、いっつも悪いことに当たるんだよ」
ちなみに、1台目がポルシェ。2台目はオープンカーだったそうです。
(未確認のため、間違っているかもしれません)
次のTalk & Live本篇は?(来週のサザエさんは?の口調で)
「ひとりで回るのは今日が最後で、これからバンドになります。
それも含ませてもらっているから、ちょっとズルしているんだけどね。
本当はひとりで46本回る、だったから。
バンドversionは、ドラムのべーあんが来ます」
「Bassは宗さんって言って、べーあんの友だちの人が。
あとギターはしゅうちゃん。あとキーボードはゆりさん・・・いまウツのバンドで、」
そ、それは佐々木真里さんでは?という声に。
「そう。真里さん。名前間違えちゃった。怒られるかな。勝手にゆりちゃんとかつけちゃって。
佐々木真里さんは、僕は初対面。この間ウツのライブを見に行った時にお会いしました」